アフィリエイト詐欺とは? よくあるトラブル例や具体的な相談先

2023年10月12日
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アフィリエイト詐欺とは? よくあるトラブル例や具体的な相談先

SNSなどで知り合った人から「簡単に稼げる副業がある」などと言われてアフィリエイトのコンサルティング契約をしてしまった、という場合があります。

アフィリエイトの契約がすべて問題のあるものとは限りませんが、契約内容によっては、思うような利益を上げることができず高額なコンサルティング料金だけを支払わされてしまう「アフィリエイト詐欺」の可能性もあるため、注意しましょう

本コラムでは、アフィリエイト詐欺の例や被害にあったときの相談先などについて、ベリーベスト法律事務所 池袋オフィスの弁護士が解説します。

1、アフィリエイト詐欺とは?

まず、「アフィリエイト詐欺」の概要から解説します。

  1. (1)アフィリエイトとは

    「アフィリエイト」とは、成果報酬型の広告収入のことをいいます。
    企業の商品やサービスの公告を自身で運営するインターネットサイトやブログなどで紹介して、それが売れた場合に成果報酬をもらうことができるという仕組みです。
    アフィリエイトは、商品の在庫を持つリスクもなく、単に商品やサービスを紹介するだけで一定の広告収入を得ることができるため、会社員の副業や主婦にも人気のビジネスとなっています。

    アフィリエイトを行う場合には、直接広告主(企業)と契約するのではなく、仲介業者であるASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)を通して行うのが一般的です。
    ASPを利用することによって、個人でも大企業が扱う商品やサービスを扱うことが可能になります。

  2. (2)アフィリエイト詐欺とは

    アフィリエイトは、正規のASPを利用すれば誰でも簡単に始めることができる人気のビジネスです。
    しかし、その反面、アフィリエイトに対する正確な知識のない方をターゲットにして、「絶対にもうかる」、「毎月○○万円稼げる」などと甘い言葉を並べて、高額なアフィリエイト商材を売りつけたり、高額な運営費や初期費用を要求してくる業者も存在しています。
    このように、被害者の無知につけ込んでお金をだまし取る手口のことをアフィリエイト詐欺というのです。

2、よくあるアフィリエイト詐欺の例

アフィリエイト詐欺の代表的な手口としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. (1)高額なアフィリエイト商材を売りつける

    アフィリエイト詐欺の典型的な手口としては、「誰でも簡単に稼ぐことができる」、「毎月○○万円の収入が得られる」などの甘い言葉を並べて、非常に高額なアフィリエイトの情報商材を売りつけるパターンがあります。
    「アフィリエイトの知識がないけれど、興味はある」という方の場合には、「まずはアフィリエイトの勉強をするための教材が欲しい」と希望することになりますが、アフィリエイトを始めれば元が取れるはずだという安易な考え方から、高額なアフィリエイト商材に飛びついてしまう場合があるのです。
    しかし、高額な教材であってもその中身は市販のアフィリエイト本と同程度のものであり、金額に見合う価値が存在しない、ということが多々あるのです。

  2. (2)高額な運営費用や初期費用を要求してくる

    アフィリエイト詐欺の手口には、アフィリエイト商材を売りつける方法以外にも高額なコンサルティング料金を求めてくるものもあります。

    アフィリエイト関連のコンサルティング業者に勧められて、ホームページやブログを作成したものの、ほとんど収入が得られず、業者に対して苦情を言っても「もうからないのはあなたの問題です」と言われて、高額な運営費用は初期費用の返金に応じてくれない……といったトラブルも存在します。

  3. (3)ASPだと偽ってアフィリエイト契約をさせる

    アフィリエイトを利用する場合には、一般的にはASPという仲介業者を利用します。
    正規のASPであれば登録料などはかからず、無料で登録することができますが、アフィリエイト詐欺を行う業者の場合には、アフィリエイトの利用にあたって高額な登録料を要求してくることがあります

    「必ずもうかる」と言われて登録をしたものの、実際にはまったく収入を得ることができず、業者に連絡をしようとしても連絡が取れなくなって被害に気付く、ということもあり得るのです。

3、アフィリエイト詐欺の被害にあわないようするためには?

以下では、アフィリエイト詐欺の被害にあわないようにするための注意点やクーリングオフの方法を解説します。

  1. (1)アフィリエイト詐欺にあわないための注意点

    アフィリエイト詐欺にあわないようにするためには、以下のような点に注意する必要があります。

    ① 誇大なもうけ話には注意が必要
    アフィリエイト詐欺では、「絶対にもうかる」、「簡単に稼げる」などの甘い言葉が多く並べられています。

    このように誇大な表現でのもうけ話を伝えられた場合には、アフィリエイト詐欺を疑うようにしましょう。

    ② 家族や友人に相談をする
    アフィリエイト詐欺については、SNSで知り合った人やマッチングアプリなどで知り合った人から勧誘されて被害にあう、という経緯が多いです。

    あまりよく知らない人からもうけ話の誘いを受けた場合には、その場ですぐに応じるのではなく、一度持ち帰ったうえで、家族や友人に相談をしてみるとよいでしょう。
    自分以外の第三者に相談をすることによって、冷静かつ客観的な意見をもらうことができるため、被害にあう前にアフィリエイト詐欺に気付くことができるでしょう
  2. (2)業務提供誘因販売取引に該当すればクーリングオフできる可能性も

    アフィリエイト詐欺の被害にあったとしても、業務提供誘引販売取引に該当すれば、クーリングオフができる可能性があります。

    業務提供誘引販売取引とは、「仕事を提供するので収入を得ることができる」という口実で勧誘をして、仕事に必要であるとして商品などを販売して金銭的負担をさせる取引のことをいいます。
    業務提供誘引販売取引に対しては、特定商取引法によって規制がされていますので、契約書面を受け取った日から20日以内であれば、クーリングオフをすることが可能です
    また、クーリングオフは無条件解除であるため、違約金を請求されることもありません。

    さらに、特定商取引法では、取引の相手に対して、うそをついて契約を勧誘する行為などを禁止しています。
    そのため、「絶対にもうかる」、「必ず月○○万円以上の収入になる」などの不適切な勧誘行為があった場合には、契約を取り消すことができるのです。

4、アフィリエイト詐欺の相談先は?

以下では、アフィリエイト詐欺の被害にあった場合の相談先を解説します。

  1. (1)国民生活センター

    国民生活センターでは、「消費品やサービスの契約で業者とトラブルになった」など消費者と事業者との間のトラブルについての相談に応じています。
    相費者トラブルに詳しい専門の相談員が対応してくれるので、まずは無料の電話相談を利用してみるとよいでしょう

    相談を受けた相談員からは、事業者との自主交渉の方法や具体的な解決方法についてのアドバイスを受けることができます。
    また、相談内容によっては、交渉の手伝い(あっせん)をしてくれることもあるのです。

  2. (2)警察

    アフィリエイト詐欺の被害にあった場合には、警察に被害届を出すという方法も考えられます。
    他にも被害者がいるような場合には、警察も本格的に検挙に乗り出す可能性もあります。

    ただし、警察では犯罪行為の取り締まりをメインとして行っていますので、アフィリエイト詐欺の被害にあって失ったお金を取り戻すことはできません。

  3. (3)弁護士

    アフィリエイト詐欺によって、高額な被害を受けたという場合には、アフィリエイト詐欺を行った業者に対して、返還を求めていくことになります。
    しかし、詐欺被害を受けた被害者が返金交渉をしたとしても、うまく言いくるめられてしまったり、「解約するとこれまでの投資が無駄になる」などと言われてさらに金銭を要求されてしまうリスクがあります。
    そのため、業者と交渉する際には個人で対応するのではなく、まずは弁護士に相談してみましょう。

    弁護士に相談することによって、今回の契約がアフィリエイト詐欺に該当するかどうかや業者から返金を受けることができる見込みについて判断してもらうことができます。
    また、返金の見込みがある事案については、弁護士に依頼すれば業者との交渉や裁判といったすべての対応を弁護士に任せることもできます
    詐欺事件については、被害に気付いてからすぐに対応することによって返金を受けることができる可能性を高められるため、早めに弁護士に相談するようにしましょう。

5、まとめ

誰でも簡単に始めることができる副業としてアフィリエイトは、非常に人気のあるビジネスです。
その反面、アフィリエイトへの無知を利用して詐欺を行おうとする業者も少なくありません。
まずはアフィリエイト詐欺にあわないようにすることが何よりも大事ですが、もしアフィリエイト詐欺にあってしまったという場合には、すぐに弁護士に相談することが大切です。

アフィリエイト詐欺の被害にあってお困りの方は、ベリーベスト法律事務所までお気軽にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています